お母様が亡くなりそのままマザーロスとなり生活を変えたくなくて遺品整理をせずに何年もの月日が流れてしまった。お母様を想う気持ちは誰よりも強くそして食事の団欒がまたできるかのようにそのままとなっていた。外にはあまり出なくなり自分の部屋で過ごす日々が少なくなかった。
もう戻ってこないお母様、一緒に食事をしたテーブルが無情にも物語っていた。
目次
- 何年もそのままに
- 片付けることが気持ちの変化に
- 兄弟の気持ち
- 空き家問題
- 遺品整理クリーンサービスへのご要望
何年もそのままに
母親を亡くし葬儀が終わっても遺品整理をしないでそのままの状態になってしまっている。
マザーロスとは、「母が他界した喪失感(ロス)に起因するグリーフ(悲嘆)」の心情
悲しみは時間のみが解決するとか、悲しんでいると故人が成仏しないなど、一刻も早く忘れた方が良いとか、一般的に慰めに使う言葉の端々は当事者にとってはどうでも良い言葉です。
全員が複雑な悲嘆になるわけではないですが一旦ハマルと、抜けるのに数年かかるそうで本でも勉強会でもよく聞く話です。
ではなぜ、マザーロスに陥ってしまうのか?
皆様にも大切な人はいらっしゃいますよね?その人との思い出が良いものであればあるほど心に印象が残ると思います。そして一緒に過ごした時間が掛け替えのない出来事ならばその人との時間はとても大切なものだということを存在が無くなったときに気づくものです。
親子ならば生まれてくる子供は親を選べません、しかし最高の親と出会った瞬間から掛け替えのない人になっていくのです。遺品整理クリーンサービスでは私たちの現場で感じたことを恐縮ですが述べさせていただいておりますがそれは、「専門だから」いろいろと勉強できることであり一般的な遺品整理業者ではなかなかお客様の事を考えることはないのかもしれません。
何年もそのままのお部屋にしておきたい気持ちはどうして?
それは、その家が家族にとってその当事者同士にとって居心地が良かったからなのです。
その居心地からその人を忘れたくない思いが片付けられない心理へとつながりそのままの状態になってしまう。確かに当事者の立場で考えると自分に決心がつくまではそのままにしておきたいなという感情になると思います。
その歳月は人それぞれ変わると思いますが、どんな期間でも故人を想うことというのは素晴らしいと思います。
片付けることが気持ちの変化に
今回、宮本様のお見積りに出かけた時には表情にゆるみがなかったご遺族様が遺品整理を一緒に行うことで心に変化が出てまいりました。
お母様と一緒に暮らしてきた遺品が目の前を通り過ぎ必要のない役目を終えたものとなっていく。遺品と言えど宮本様はお部屋から無くなっていくことに見るに堪えない状況となり外出を2度3度繰り返した。
ハンカチで涙を拭いながら席を外したご遺族様には相当の感情が込み上げてきたんだろう。
遺品整理作業をしていて私たちはある変化に気が付いた。
最初は塞ぎがちに下を向きながら遺品を見ていたご遺族様が、作業が進むにつれて表情に笑顔が見えて現在から前に進もうとしている姿勢がよくわかったのです。
兄弟の気持ち
お母様と最後まで一緒に過ごしていた宮本様のご兄弟が心配のあまり今回の依頼を提案したそうです。
故人の使っていたものを見て思い出すことはとても良いこととは思います。ですが、全部を残して置いては新生活ができているとは言えませんよね。という言葉をお聞きしました。
確かに、形見分けは実用性のあるものは喜ばれるかもしれませんが実用性のないものは貰っても素直には喜べないのが現状です。
お兄様が宮本様にできることは、心にけじめをつけて今後に向けた自分の生活をすること。
なかなか前に進むということは勇気のいる決断ですし人は不安もあります、ただ進まなければいけないこともあります。生活が出来なくなってしまってはお母様が望んでいた事ではないのでしょうから。
空き家問題
適切な管理が行われていない空家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしてお り、地域住民の生命・身体・財産の保護、生活環境の保全、空家等の活用のため対応が必要(1 条) 参考:現在、空家は全国約 820 万戸(平成 25 年)、401 の自治体が空家条例を制定(平成 26 年 10 月)国土交通省より抜粋 http://www.mlit.go.jp/common/001080534.pdf
特措法では問題があるものを「特定空き家」としている。「特定空き家」の条件として、国土交通省は4つの基準を示した。
1/基礎や屋根、外壁などに問題があり、倒壊などの危険があるもの
2/ごみの放置などで衛生上有害なもの
3/適切な管理が行われておらず、著しく景観を損なうもの
4/その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切なもの
「特定空き家」と認められた物件の持ち主には、修繕や撤去の指導や勧告、命令ができる。命令に従わなかった場合には、行政が強制的に撤去し、かかった費用を持ち主に請求できる「代執行」も可能としている。
空き家になっている事で心配なのが放火やホームレスの侵入があります。
中には、ホームレスが勝手に住んでいてゴミを拾ってきてごみ溜めにしてしまい火災が起こってしまったケースも存在するといいます。
特措法で今後何がかわるのか?
国と民が考えていることは本当に一緒なのか。日本人には本当に家族を偲ぶこころとモノづくりへの根性がありますが、亡くなったものは忘れたいという風潮が垣間見える。それが物事を縁起で考えることなのではないでしょうか。
縁起の良いことはいつまでも覚えているが縁起の良くないことは塩などを撒いて即座に抹消するそうして毎日を生きている。
遺品整理クリーンサービスへのご要望
「ここまでキレイにしてくれて」という言葉を今回もいただきました。宮本様にはお見積り時から作業終了時まで大変お世話になりいろいろな故人とのお話もお聞きしました。
一般的な遺品整理業者に頼むのと専門にやっている業者に頼むことの違いを理解していただけたことに感謝しこれからもご依頼いただいたご遺族様に良いサービスの提供ができればと思っています。
遺品整理専門業者の中には資格を過大表現し安心を謳うことが定説となっているようですが、本当に専門として考えることは依頼されたご遺族様にその専門業者のオリジナリティーが最大限提供できるのか、「人の役に立ちたい」などそんな甘い考えではできないということ。
遺品整理クリーンサービスには、「遺品整理本部」と「孤独死整理本部」「遺品整理人」という3つのブランドがありそれぞれが責任を持ってご遺族様へのサービス提供を行っています。
少々自社自慢になってしまいましたがこれから遺品整理業に携わっていきたい人が居るならば「ご遺族のことを考えよう」
あえて言おう、遺品整理業界で働いている方には素質がある。ただ自社の品質向上のスイッチが他力本願になっているだけだ。
安心はブランドでも資格でもない、あなたのご遺族の為に何とかしたいという真摯な姿勢が本当の遺品整理業なのだと思います。
遺品整理クリーンサービスは遺品整理業界で日々働いている方を応援しています。
最後になりますが、宮本様へお悔やみ申し上げます。そして今回のご利用ありがとうございました。
遺品整理のご依頼はこちら