遺品整理ビジネスをやってみたい・・・
遺品整理はビジネスになるの・・・
遺品整理ビジネスって何・・・
2010年頃から映画やドラマなどで世の中に認知されてきた「遺品整理」という言葉ですが、認知されるとともに遺品整理ビジネスに参入したい方が増えてまいりました。ここでは遺品整理ビジネスについての展望とどうすればできるのかをお伝えできればと思っています。私の自己紹介は、
認定遺品整理人:山本 純一
遺品整理人番号:00085 号
2000年に遺品整理業を創業、以来最前線で現場を見つめる。
年間750件を超える遺品整理、特殊清掃の現場に従事しておりそこで得た知見をもとにひとの死を伝えていく活動をしています。
遺品整理というビジネスについて
遺品整理というのは、亡くなった故人が遺していった遺品を遺族の要望に沿って代行し整理していく仕事です。
2010年よりも前は親族で集まってワイワイ、ガヤガヤしながら故人を思い出して遺品を整理していましたが、少子高齢化が進むにつれて兄弟が少なくなりみんなで集まることもなかなかできなくなる家族関係が増え、遺品整理を遺族に代わって代行する人が増えて行きました。
遺品整理はその代行すること、遺品を託すことができる信頼できる人に依頼することでビジネスとして成り立ちますが、中には「お宝目当て」の業者が参入していることもあるので一口に遺品整理ビジネスといえど、業者を選ぶ時には慌てないで信頼できる業者を選ぶことが遺族には求められます。
遺品整理ビジネスの人材
遺品整理ビジネスを立ち上げるには自分が「信頼できる人」なのかということが特に大事なことです。亡くなった人の遺品ですが、遺族にとっては故人との大切な思い出なのでその遺品を雑に扱うことのないようにすることや価値があるのに買い叩くことがあってはならないようにしなければなりません。
遺品整理業はかんたんに見られがちでただ単に、「運ぶ、積む、捨てる」といった自分の達成感だけが先走ってしまってひとの役に立つことができたと勘違いしてしまうひとも少なくありません。
正直、運ぶ、積むなら引越し業者の日常の作業と変わりはありません。しかし、遺品となるとご遺族と故人との間の思い出の品を探すといった作業があります。
人の思い出は、それぞれご家族によって違うので毎回同じものが思い出とは限らないのです。そのため実に細かい作業が求められるために「捨てる予定ではないものが捨てられてしまった」といったトラブルになってしまうこともあります。
遺品整理業界のトラブル
遺品整理業界で起こっているトラブルには3つのトラブルが顕著に表れています。
- 不法投棄
- 料金の吊り上げ(オプション・追加)
- 金品の持ち出し行為
貴金属の窃盗行為
これらの問題は、誠実に遺品整理を行っている業者ではなかったのですが、近年になって新規参入業者で増えたトラブルとなっています。国民生活センターによると年間100件以上のトラブルが報告されています。
なぜ、そんなことになるのか。ズバリ申し上げると人材の常識の低さが問題となります。中でも貴金属は貴金属買取り業者が増え、そこにもっていけばいくらかの料金で買い取ってくれるので業者は遺品整理よりも貴金属探しをするようになりました。
実際に、誠実に業務を遂行しているとたくさんのやるべきことで手がいっぱいなのですが、貴金属を探す業者は遺品整理どころかまちがった方向へ進んでしまうようになります。
次に多いのが料金の吊り上げ
安さを売りにして遺品整理の仕事を契約し、後から作業時などにどんどん上乗せする業者です。
ご依頼者は安かったから契約したはずなのに作業に取り掛かってもらったら「これは持っていけない、持っていくなら別の料金がかかる」といったことや「ここまでが契約の範囲だが、それ以降は追加料金」などといった方法で料金を割り増しするケースです。
実際に私たちもお見積もり時に、安さを強調した業者と相見積もりになったのですが、安さをご要望されていたのでご遺族様に十分注意して契約するように施して後にしました。
すると、数日後にあの時一緒に見積りした業者に騙されたのでどうしたらいいですか?という相談でした。
直ちに作業はストップしてもらって料金の相談をすることと、国民生活センターへの相談を言い伝えたのでした。
結果的に、その業者が提示した金額は当社の3倍の90万円。
一戸建てで量があるとしても90万円は高すぎる金額でした。
そのように、安さを強調している業者は後から釣り上げてくる可能性を十分に持ち合わせていると考えてよいと思います。
不法投棄
新規参入業者のほとんどが始めたばかりで仕事がありません。そのため、相見積もりを強調して仕事を取るのですが、やはり安さでの仕事の取り方が目立ったりします。
開業し始めは利益を出すために引き取った遺品を不法投棄したりして利益を出したり、そのままくせになってひとの所有している山中などに勝手に捨ててしまったりします。
そして、輸出と称し料金を安くできるといった業者も輸出先が受け入れを拒否してしまうと国内でリサイクルできないために不法投棄をしたりします。
実際に、山を所有する方からお電話をいただき現状を拝見させてもらうために出向いたのですが、そこにあったものは大量の家電や遺品、運んだ軽トラックまでもが捨ててありました。
信用をつけることは時間が掛かる
信用をつけること、これは一朝一夕ではできないことです。私たちが教えた業者でも現場を重ねて理解できるまでには、約半年は必要になってくると思っています。
技術を覚えることも必要ですし、作業的に的確な方法を覚えなくてはならないことが出てきます。
一般的に物を出すだけの作業は誰にでもできますが、それよりも遺品整理業として対価をいただくのであればワンランク上の作業をこころがけなくてはなりません。それを積み重ねてやっとスタートラインに立つことができるのが半年後になります。スタートラインを切ったからと言って楽ができるわけではありません。常に向上することが必要になってまいります。
もちろん、「儲かるだろう」「お宝目当て」の姿勢で参入したのであればどんどん淘汰されていきますし、誠実に業界でやっている業者にも迷惑がかかります。いちばんは依頼していただいたご依頼者様に迷惑を掛けることにならないようにすることです。
遺品整理業者の選定基準
ここまで、遺品整理ビジネスとはどんなものかをご説明させていただきましたが、ご遺族が損をしないためには、
- 見積もりをその場で提出できる業者
- 後から料金が変わらない約束
- 作業内容の詳細な説明
それらをきちんと約束なり説明なりができる業者を見積もり時に観察することと、選ぶ力をつけることが必要になると思います。一生に何回も利用することのない遺品整理ですからご遺族にはきちんとした業者に巡り合っていただきたいと思います。