孤独死した後に床に人型のシミがつかないようにする不安にお答えします。
この記事は、人の死を無駄にしないように現場から教わったことを記事にしています。これから増えていくだろうという孤独死の現場でなにか対策などをお伝え出来たら亡くなっていった故人の供養にもなるのではないかと思っています。
遺品整理:特殊清掃専門家 山本 純一
創業から21年がたっても2カ月先まで予約が絶えない孤独死の特殊清掃の専門家集団です。
遺品整理から特殊清掃、消毒脱臭まで完璧に施工して遺族と大家さんの双方が納得する作業をしています。
もちろん、施工だけではなく明け渡しまでお付き合いしていますので遺族と大家さんがトラブルに発展することがほぼありません。
結論
ベッドなどの寝具の下に防水シートを敷いておくことは床の損傷に対して有効です。遺体発見まで(2週間)のあいだ体液が床材を傷めることはないのでカビやダニ対策をしながらやっておきましょう。
孤独死の現場でみたシート対策
ひとり暮らしで誰にもみとられないまま亡くなっている孤独死、
何も対策しなければ遺族に原状回復費用などで迷惑を掛けてしまうが、対策していれば原状回復費用も軽減されることがわかってきました。
「人が亡くなっている現場は床に人型のシミがついてしまう」
腐敗していれば肉は削げ落ちくっきりと遺体跡になって床板に浸透して隙間から床下まで体液が達してしまい躯体まで傷めてしまうこともある。
人の遺体跡は見る側もショックを受けるし、玄関のほうへ助けを呼ぶように倒れていれば精神的にも辛くなる。
ベッドの下にはシートを敷いておく対策
私たち孤独死の特殊清掃を手掛けて20年以上の経験がありますが、近年、熱中症などの突発的な孤独死が増える夏場に呼びかけさせていただいたのが「寝具の下にシートを敷いておくこと」
ひとり暮らしで体調がすぐれない人はもしもの時に備えてシートをしいておくことをSNSで呼びかけさせていただきました。
「自分はまだ死ぬことはない」と思っていても暑い夏、熱中症は寝ている間にもひとの命を奪って行ってしまいます。
そんな時に家族や友人との交流があまりない状態ですと発見も遅れて行ってしまいます。その間に遺体はどんどん腐敗して虫や臭いを発するようになっていきます。
臭いを発するようになってしまえば体液は下へ下へと流れ出てしまいます。床の上から浸透した体液は床の継ぎ目から床下へ流れて床板に達するようになり、まれに階下の部屋の天井が雨漏りのようになって変色してしまうことも。
実際の現場でシート対策をしていた孤独死の部屋
故人はベッドの上で亡くなっていました。発見まで3週間を要していましたが近所からの異臭によって大家さんが警察と部屋を確認して死亡を確認したということです。
ベッドの上は体液を吸っていて損傷はありましたが、ベッドの下にはそれほどの損傷がなく段ボール箱の下に黒ずんだ体液がありました。
故人は自分の死を覚悟していたのかもしれませんが準備しておくことで身内にかかる負担が軽減されます。
シートをめくってみた体液の浸透具合
故人が亡くなっていたのはベッドの上で熱中症が引き金になってしまった孤独死でウジやハエが発生してしまって本人確認もできないのでDNA鑑定が必要になったという。
1枚目のシートをめくってその下に体液が流れているか確認してみたのですが、2枚目の敷物には体液の浸透もありませんでした。
発見まで期間がたっているので臭いは防毒マスクなしでは部屋内には居られないほどですが体液が浸透していないのでベッドと1枚目のシートで体液流れを防げていたので、その下には体液はほぼ流れていません。
床上の敷物を確認
ここまでくれば通常の生活と同じようになっています。体液があるかどうかもわかりませんし損傷もない状態。一番下はイグサのような敷物でしたがシートをしいていなかったら簡単に通気性の良いイグサは体液を貫通させていたでしょう。
体液がついてしまうとベトベトになってしまったり、持ち上げたりすると破けてしまったりするのですがその前に防げたことはとても有効な手段になると思います。
最後の床の状態はどうだったか
床への体液の損傷はありませんでしたので、あとは床の洗浄をしてコーティングを施し消毒、除菌をすれば明け渡しに問題がないように感じます。
床に遺体跡がついている場合には遺体跡部分を切除して床下を洗浄して消毒しなければなりませんが、床の損傷がなければ遺族も大家さんも修繕費用が安く済むので原状回復費用も遺族が背負う負担は低くなると思います。
床を切除して張替えとなると、部分張替えでは不自然なため全体的に張替えとなりますが張替え費用は何十万円~何百万円となることがありますのでそれがないだけでも負担がなくなるのではないか。
床下に体液が流れてしまった場合
床の隙間から床下に体液が流れてしまった場合には床を剥がして洗浄・消毒をしなければならないため手間がかかってしまうことと、費用に関しても差が出てきてしまいます。
- 特殊清掃の費用のほか、床下の洗浄・消毒費用
- 床の張替え費用
- 工事のための家賃保証
- 空き室になってしまったための空き室保障
上記のようなことになってしまった場合には何百万円の請求が保証人または遺族にかかってきてしまいますので、自分で身内に極力迷惑を掛けないようにするには故人から教わったシートなどをベッドの下に敷いておくだけでも身内にとってはありがたいことなのかもしれません。
特殊清掃の専門に依頼すれば時間と費用の無駄がなくなる
孤独死が発生してしまって困っている遺族はたくさんいます、そして大家さんも困っています。なぜならば放っておいて改善することはないからです。むしろ、悪評が広まり嫌な思いを遺族や大家さんの両方が被ってしまいます。
孤独死の特殊清掃は早急に対処することが望ましく時間を掛けて業者の選定をしている場合ではありません。しかし、素人の業者がたくさん存在していてたまたま選んだ業者が低品質な業者だったなんてことはよくある話となっています。
初期消毒であれば3万円、初期作業なら10万円が相場です。
孤独死が発生して日数が経過していると「臭い」が近隣へ広がってしまって大家さんまたは管理会社が苦情の毎日を過ごすことになります。
入室するにあたりまずは初期の消毒をして入れるようにすることが先決となりますが、放っておくと大腸菌が増殖し便がある場合にはO-157といった腸管出血性大腸菌といった感染症を引き起こしてしまいこともございます。
一般的に一時的な作業前処理は2万円~10万円の範囲内になります。まずは部屋に入れるようにすることと遺体跡を見ないようにすることが先決になると思います。
特殊清掃の工程はこのようになっています
- 特殊清掃の前処理
- 遺品整理&特殊清掃
- 脱臭処理&コーティング
- リフォーム
特殊清掃の前処理
長期間発見されずに部屋にいた故人が腐敗していた場合には体液漏れや大腸菌の発生が考えられます。お部屋に入る場合には除菌をして入ることが身の安全策になりますので除菌液を散布してお部屋に入ります。ただし、作業日までに極力臭いを抑えておかなければ近隣からの苦情が発生してしまいますので臭いを抑える処置も行います。
遺品整理&特殊清掃
前処理が終了したらお部屋に入ることが可能になりますが、本格的に遺品整理の作業と特殊清掃はセットで行う必要があります。部屋には死臭が漂っていたり、部屋から搬出した遺品に臭いが付着しているために別々にしてしまうと1回で済むところが2回になって余計に近所からの苦情が大きくなってしまいます。
脱臭処理&コーティング
遺品の整理と特殊清掃が終わったら、臭いを取っていく脱臭処理に入ります。脱臭は1日で済むこともあれば3週間位様子を見ながら行っていく必要もあります。臭いの脱臭は簡単にはできないため専門的な技術と経験で行わなければなりません。また、床上の体液だけを取り除いたとしても床のつなぎから床下へ浸透してしまっていることがあるため床を一部的に切除して床下を洗浄し、コーティングしなければ完全脱臭には持っていけません。
リフォーム
孤独死の特殊清掃を施した後はリフォームが必要になってきます。床の切除した部分や壁紙などの張替え、破損してある場所の修理などをして元通りの部屋に戻っていきます。床の張替えならば40万円~120万円くらいになると思いますが、部屋のほとんどを修繕するならば200万円~300万円くらいの費用が必要になってまいります。
孤独死の特殊清掃は30万円~50万円くらいが標準的になると思いますが、一番費用が掛かってくるのはリフォーム代となるでしょう。故意でなければ大家さんとの修繕費は話し合いになりますが、故意的に部屋を改造してしまった場合には遺族が責任を持つことになります。
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