孤独死の最もおおい死因はなに?

2021年6月19日

  • 20代に多い孤独死の死因とは・・・
  • 高齢者に多い孤独死の死因とは・・・
  • 男女で死因はちがうの・・・

孤独死の死因の結論

孤独死の死因でいちばん多くなっているのが糖尿病による低血糖です。低血糖状態に陥ったとき誰も助けがいなければそのまま昏睡状態に陥りさいごを迎えてしまうといった実際の現場の知見です。

ポイント

この記事は遺品整理人である専門家が実際の現場での知見を遺品整理で困っている方へ向けて発信している記事となっています。もし、あなたの周りで遺品整理に困っている方がいたらその人に記事を教えていただけたらうれしいです。より多くの方に記事をお届けし悩みを解決することができればと願っています。

専門家:橋本俊哉

専門家:遺品整理人 橋本 俊哉

遺品整理人ライセンス:第 00082 号

年間700件を超える孤独死の現場から遺品整理と特殊清掃を手掛ける専門家として活動

現場からの知見を社会に伝えられるように記事の監修をしてわかりやすくお伝えできるようにしています。

孤独死が発見される場所

孤独死が発見される場所は住んでいる部屋になるわけですが、その住んでいる部屋の中でどこになるのか疑問になります。部屋のどこでなくなっているのか?

遺体があった場所

  • ベッドや布団の上
  • トイレから出たところ
  • 浴室から出たところ
  • テレビを見るポジション

ベッドや布団の上

ベッドや布団の上はいちばんおおい場所となっています。現場の状況からすると少し前から具合が悪くなっていた感じを受け、ベッドや布団で休んでいる最中に亡くなってしまうといった現状です。

その根拠としては、トイレや布団などに黒ずんだ血反吐が吐いてあって死亡直前に吐いたような鮮血ではないことが見受けられるからです。

ベッドや布団などで亡くなっている孤独死の死因と思われる第1位は「糖尿病」による低血糖が原因です。

トイレから出たところのケース

トイレから出たところの状況はトイレで排泄していてイキバリ、脳の血管が耐えられなくなって急激に様態がわるくなって逝ってしまった感じです。

俗にいう「脳卒中」の傾向が高いのではないかと。

トイレの便器に腰かけたままの状態やトイレで用を済ませて出てきた瞬間などのケースがあるため息張った瞬間または用をすませてホッとした瞬間などに血管の収縮によって血管が弱っていると異変がでてそのまま帰らぬ人になってしまうといった状況です。

浴室から出たところのケース

浴室から出たところのケースでは浴室で体が温まり外に出て急激に血圧が上昇する「ヒートショック」が原因になると思われます。夏場は浴室で死亡しているのは自殺がほとんどですので孤独死となると冬場の浴室と部屋内の気温差によるヒートショックが死亡の原因となるでしょう。

ヒートショックは血圧の病気を持っている方は細心の注意を払って部屋内と浴室の温度差をなくすことで防げます。

浴室から出た場所で亡くなっている方が飲んでいた薬をみると高血圧の拮抗薬や利尿薬などを服用している状況を目にすることがあり浴室から出て気温差によって血圧のコントロールが効かなくなってしまったように思える。

テレビを見るポジションのケース

テレビを見ながら座椅子やソファーなどに腰かけて亡くなってしまう孤独死の原因は「心筋梗塞」がおおいです。

夕飯を食べながらテレビを見ていてそのまま具合を悪くしてしまう傾向があるように思えます。夕食などに手を付ける前などがおおく食料はそのまま手つかずにテーブルの上に並んでいることがある。

テレビなどを見ながら亡くなる方の特徴としてはタバコをよく吸う人(ヘビースモーカー)が心筋梗塞などを引き起こして具合を悪くしてそのまま誰にも発見されずに孤独死になってしまうと思われます。

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男性と女性の比率では

孤独死の死因は上記にあげた4つの病気による影響がありますが男女のどちらが多いのかというと「男性」が多いです。高齢者65歳以上の男性がいちばんおおく、近年多くなってきているのは30代の男性です。

30代の男性で孤独死する死因となるのは糖尿病による低血糖が圧倒的に多いようです。

女性と男性で何が違うのかそれは「食生活」だと感じます。偏った食生活を普段からしていると糖尿病をはじめ成人病などにかかりやすくなり最悪は若くして死亡となってしまうことが増えてきている現実です。

孤独死の統計は判断が難しい場合がおおく女性と男性でどちらが多いのかは、数字としてはいまだはっきりとはわかっていません。本当に孤独死と判断された数は年間3万人前後という発表ですが現場からの肌で感じた感覚はおそらく7~8万人にのぼるとおもいます。

監察医務院の所見

「死後誰にもみとられず一定期間が過ぎた一人暮らしの人が死亡」していることを孤独死と言っておりますが監察医務院に運ばれて死亡診断書などに記載されるのは細かい病名ではありません。

  • 異常死
  • 自然死
  • 死因不明など

夏場では遺体がすぐに腐敗してしまうこともありウジが湧いて細かく解剖することができない場合もありますが、冬場では暖房によって乾燥しており腐敗もすぐには始まりませんので月日がたってしまって白骨状態になってから発見ということもあります。

そうした場合にはもう解剖してもきちんとした病名まで解析ができないケースがありますよね。

よって、普段から飲んでいた薬などでおそらく死因は〇〇だろうとなるわけです。

東京都監察医務院で解剖した数

東京都では孤独死と判断された死亡数が平成28年では3179人に及ぶが1日にすると8人~9人が孤独死と判断されています。しかし解剖した数だけが監察医務院に運ばれるわけではありませんので1人に1時間の解剖時間がかかったとしても8時間は必要になります。そのほか殺人や自殺、事故などの解剖もしなければならず医者が足りない日本で医務院の監察官もそれほどいるわけでもありません。

要するに、2人暮らしで朝起きたらどちらかが亡くなっていたらそれは孤独死ではなく「自然死」となり、1人暮らしの人が死因もわからないまま亡くなっていたら「異常死」と判断されその1人暮らしの死因不明のひとを孤独死と選別しています。

孤独死の死因

孤独死による死因の解明は生前に何らかの持病を抱えていてそれが突発的に発作をおこしたり、あるいは自然に力尽きたといったことがあるため一概には決められないのが「孤独死」というおおきなカテゴリーになってきます。

孤独死と呼ばれるカテゴリーの下には、

  • 糖尿病
  • 心疾患
  • 脳梗塞
  • がん
  • 動脈乖離
  • 心筋梗塞
  • 老衰
  • そのほか

上記のようにさまざまな形で亡くなる方が多いことが現場で分かっています。

多くの病気は突然の発作による死亡ですが、がんと老衰は違います。がんと老衰は「生きる」ということを半ばあきらめてしまっているように感じます。

末期がんで手の施しようもなければ最後は家で死にたくなるのは自然な考えだと思いますし、老衰でお迎えが来るだけを待つのであれば家で人生を終えることもあるわけです。病院だけが死に場所ではなく家という選択肢もあるわけなので発見されないというのではなく、人として全員が気を付けて見守るというテーマだと思います。

孤独死のなにが問題なのか

孤独死

孤独死ということは家族で同居していれば亡くなってもすぐに発見してもらえるという保険はございますが、1人暮らしの方にとっては不安に感じる方も多いことが現実です。よって高齢者になればどちらかが先立ってしまえば1人になってしまいますし歳をとってから心を許しあえる友人を作ることもなかなか難しい現実です。

人が亡くなるということは自然なことですが、長期間発見されないということは他人であっても見過ごしてはならないことと感じます。死については先人に尊厳を持ち異臭がするようであれば通報という手段を人それぞれが持ち合わせてほしいことだと思います。

「孤独死が問題」という人がいますがいちばんの問題というのは明らかに普段嗅いだことがない臭いがしているのに「見て見ぬふりをしてしまうこと」が問題であり通報は誰でもできることですからするようにしましょう。

-孤独死の特殊清掃