遺品整理クリーンサービスは報道で紹介されています。
遺品整理の本当の意味
遺品整理とは、ただ物を片づける作業ではなく、故人との思い出を振り返り、心に区切りをつける大切な時間でもあります。
遺品を一つひとつ手に取りながら、その品にまつわるエピソードや故人の面影を思い浮かべる瞬間には、何とも言えない切なさと温かさが交差します。
「これは、いつも使っていたお気に入りのカップだったな」
「この写真、笑顔が本当に素敵だった」
──そんな小さな気づきが、ご遺族の心にそっと寄り添ってくれることもあります。
作業としては、衣類・家具・日用品・貴重品などを分類し、「残すもの」「譲るもの」「処分するもの」に分けていきます。
中でも、写真や手紙のような思い出深い品に触れると、自然と胸が熱くなる場面も多いでしょう。
一方、使い古した家電や衣類など、どうしても処分しなければならない品を手放すのは、どこか寂しさを伴いますが、それも新しい一歩を踏み出すための大切な過程です。
泣いたり、笑ったり、感謝の気持ちを噛みしめながら進めていくその作業の中で、ふと「ありがとう」と心の中でつぶやける瞬間が訪れたとき、
それこそが何よりの癒しになるのではないかと、私たちクリーンサービスは考えています。
遺族が最初に行うべきこと──冷蔵庫の処理
故人の遺品整理を始める際、最初に対応しておくべき大切な作業があります。
それは、「冷蔵庫の中の処理」です。
私たちはこれまで20年以上にわたり遺品整理の現場に携わってまいりましたが、冷蔵庫の処理を後回しにしたことで、想像以上のトラブルが発生するケースを多く見てきました。
日常生活では、多くの方が冷蔵庫を毎日開閉しています。
そのたびに背面のモーターが作動し、フロンガスを使って庫内を冷却する仕組みです。
しかし、居住者が亡くなり日常の使用が途絶えると、冷蔵庫は思いがけず故障することがあります。
冷却機能が停止した冷蔵庫は、次第に庫内温度が上昇し、ドアのパッキン部分などから害虫(ゴキブリやハエなど)が侵入することがあります。
放置された食品が荒らされ、虫の卵が庫内にびっしりと付着していたというケースも少なくありません。
さらに、故人の電気料金が未納だった場合、電力の供給が止まり、正常に稼働していた冷蔵庫も停止します。
「ゆっくりと整理を進めよう」と思っていたとしても、次に訪れた際には腐敗臭が部屋中に充満していた、というご相談を数多くいただいています。
もし一定期間、部屋をそのままにしておくご予定がある場合は、遺品整理の最初のステップとして、冷蔵庫の中を必ず確認・処理することを強くおすすめします。
これだけで、その後の作業環境が大きく改善され、トラブルを未然に防ぐことができます。
遺品整理業者と遺族による遺品整理の違い
遺族による遺品整理とは
- 作業には人手が必要になる
- 暑い時期には熱中症のリスクがある
- 腰への負担を軽減するため、腰用ベルトが必要になる
- 遺品を「残すもの」「処分するもの」に分別する
- 死亡後の各種手続きに必要な書類を探す
- 貴重品や権利書、契約書などの重要書類を探す
- 会社やケーブルテレビ、NTTモデムなどの貸与品を返却する
- 可燃ごみ・不燃ごみ・粗大ごみ・リサイクル家電に分類する
- 乾電池やライターなどの不燃物を適切に分別する
- ごみ袋を一度に集積所へ出すことができない場合がある
- 粗大ごみの収集を予約し、指定場所まで自分で搬出する
- 思い出の品を見つけることがある
- 薬品類(注射針や医療機器など)を病院へ返却する
- 作業のために何度も部屋へ通う必要がある
- 近隣住民や大家へ退去および明け渡しの連絡を行う
- 明け渡しができるように退去後のクリーニングを実施する
- 解体が必要な設備や、エアコン・給湯器などの取り外しを行う
遺品整理にかかるのは「時間」と「労力」
遺品整理において、最も大きな負担となるのは「時間」と「労力」です。
親族だけで作業を進めようとする場合、「処分すべきか、残すべきか」の判断に迷う品物も多く、なかなか思うように作業が進まないのが現実です。
特に、依頼者以外の親族が「残しておきたかった」と思っていた品を、他の親族が誤って処分してしまうと、思わぬトラブルに発展することもあります。
また、分別作業のスピードも、専門業者とは異なり、どうしても遅れがちです。
当初は複数人で作業にあたっていても、日数が経つにつれて手伝う人が減り、最終的には一人で対応せざるを得なくなるケースも少なくありません。
そのため、遺品整理は「一人で行うものではない」と考え、協力者の確保や、必要に応じて業者や行政の支援を受けることも検討しておくことが望ましいでしょう。
さらに、日中に数時間ずつ作業を行う場合は比較的問題ありませんが、近隣に夜勤勤務の方がいらっしゃる場合、作業音が迷惑と感じられる可能性もあります。
また、夜間に作業をしていると、不審者と誤解されることもあるため、注意が必要です。
こうしたリスクを避けるためにも、あらかじめ近隣の方に作業の趣旨を説明し、理解を得ておくことや、なるべく短時間で効率的に作業を終えるための工夫が大切です。
遺品整理は、ただ物を片付ける作業ではなく、心を整える大切な時間でもあります。周囲との関係にも配慮しながら、無理のない体制で進めていくことをおすすめします。
業者による遺品整理とは
- スタッフの準備が整っている
- 作業スタッフの健康管理が行き届いている
- 荷物の運搬に慣れている
- 適切な分別方法を把握している
- 遺族は死亡後の手続きに専念できる
- 貴重品や権利書の捜索が可能
- どの物品が貸与品かを把握している
- 分別作業は業者が行うため、遺族が対応する必要はない
- 処理が困難な物品も処理を依頼できる
- どれだけ量が多くても一度で搬出可能
- スタッフが運搬を行うため、遺族の負担はない
- 判断が難しい物品は別途仕分けされている
- 病院への返却も業者で対応可能
- 1回または2回の訪問で作業が完了する
- 納期や予定に合わせて柔軟に対応可能
- ハウスクリーニングを実施し、物件を返却できる状態にする
- 解体や設備の取り外しにも対応可能
遺品整理を業者に任せるメリット
遺品整理を専門業者に依頼することで得られる最大の利点は、「労力と時間の大幅な節約」です。
事前に残しておきたい品物や形見の品などを業者に伝えておけば、作業完了時にそれらをしっかり確認することができます。
そのため、親族間での「勝手に処分された」といったトラブルを未然に防ぐことができるのも、大きな安心材料です。
また、地域住民との関係にも配慮した対応が可能です。
たとえば、遺品を大量にまとめてゴミ集積所へ出してしまい、近隣から苦情が寄せられるといった事態も、業者であれば適切に回避できます。
さらに、作業中に思い出の品が出てきた際、ご遺族自身が感情的になって作業の手が止まってしまうといった場面も少なくなります。
精神的な負担が軽減される点も、専門業者へ依頼する大きなメリットのひとつです。
加えて、親族だけでは人手が足りないという場合にも、業者であれば必要な人員を確保できるため、
ご遺族の方々は死亡届や相続関連の手続きといった事務的な対応に専念することができます。
このように、専門業者への依頼は、作業の効率化だけでなく、心身の負担軽減や人間関係のトラブル回避にもつながります。
ご遺族の状況や規模に応じて、無理のない選択肢としてご検討いただくことをおすすめいたします。
弊社における遺品整理の進め方
貴重品および各種書類を細部まで確認しながら捜索する
遺品の分別を行う際には、貴重品の選別はもちろんのこと、故人が大切にしていたコレクション類(切手シート、古銭、鉄道グッズ、テレホンカードなど)についても、一点一点丁寧に確認しながら作業を進めてまいります。
本の間や衣類のポケット、バッグの内側など、思わぬ場所に大切な品が隠れていることもあるため、細部にまで目を配り、見落としのないよう慎重に分別を行います。
遺品搬出に向けた事前準備
故人がお住まいだった建物の構造によっては、遺品の搬出時にエレベーターやエントランス、共用部分への養生が必要となる場合があります。
弊社ではこれまで多数の現場で適切な養生を実施しており、管理人様や建物管理会社からも高い評価をいただいております。
お見積もりの際には搬出経路をあらかじめ確認し、台車の使用によるタイヤ痕や傷のリスクを避けるため、必要な箇所にはしっかりと養生を施します。建物を傷つけたり汚したりすることのないよう、細部にまで注意を払いながら、丁寧かつ慎重に作業を行ってまいります。
分別作業が終わった後の搬出準備
遺品の処分にあたっては、行政のルールに則り、個人情報の漏洩防止にも最大限配慮しながら、適切かつ安全に対応いたします。
遺品の分別は各自治体ごとの細かなルールに従う必要があり、さらに一度に排出できる量にも制限がある場合がございます。そのため、処理には正確な知識と慎重な手順が求められます。
弊社では、遺品整理の中でも特に手間と時間を要するこの分別作業を、経験豊富なスタッフが担当。地域の行政とも連携を取りながら、環境や周囲への配慮を忘れず、効率的かつ確実に梱包・搬出を進めてまいります。
遺品の買取と再利用先への橋渡し
故人が使用されていた品物の中で、希少価値のあるものについては、再び必要とされる方のもとへ届けることが、最も有効な選択であると考えております。ただし、すべての品物がリサイクル市場に回せるわけではなく、再利用が困難なものについては、適切に処分する必要があります。
使用状況や状態によっては、再流通が難しいものもございますが、弊社では可能な限りリサイクルに回し、どうしても再利用できない物品のみを処分するという方針で、遺品整理を行っております。
また、遺品整理の際に再流通可能な買取品が見つかった場合には、その査定額を作業代金から差し引くことで、効率的かつご負担の少ない遺品整理費用のご提案が可能です。
取り外し作業が必要な場合もご安心ください
遺品整理の際には、故人が生前に設置されたアンテナやエアコンの取り外しが必要となるケースもございます。
そのような場合でも、弊社では取り外し作業に対応できる技術を持つスタッフが在籍しており、遺品整理作業と併せてエアコンやアンテナなどの撤去を行っております。
これらの取り外し作業を別途業者に依頼すると、費用がかさむことがありますが、弊社にまとめてご依頼いただくことで、コストを抑えた効率的な対応が可能です。
担当者が最初から最後まで一貫して対応
遺品整理に携わるスタッフは、担当責任者として1名の専任担当者が、お見積りからご精算まで一貫して対応いたします。そのため、作業の途中で担当者が変更になることはございません。
これにより、ご要望や変更点があった際には専任の担当者にお伝えいただくだけで、ほかのスタッフへの伝達もスムーズに行われ、個別に説明する手間を省くことができます。
最初から最後まで責任を持って対応する体制が整っているからこそ、安心かつ円滑な遺品整理サービスのご提供が可能となっております。
ピアノの運搬は専門の提携業者が対応
庭に設置された物置や、娘様が幼少期に使用されていたピアノなどの重量物の搬出についても、弊社では解体から搬出までを専門スタッフが一貫して対応いたします。そのため、スムーズかつスピーディーな作業が可能です。
重量物への対応体制が整っていない場合、遺族の方が別の業者に個別に連絡を取る必要があり、その都度立ち合いや調整などに多くの時間と労力がかかってしまいます。
クリーンサービスでは、こうした手間を省き、専門スタッフが必要な作業を適切に担当することで、遺族の皆様にご負担の少ない遺品整理サービスをご提供しております。
大切な形見のご自宅への配送
形見の配送につきましては、遠方からお越しのご遺族の方が、故人様のご自宅からお持ち帰りになりたい品物がある場合でも、弊社にて配送の手配が可能です。
少量の形見分け品から、大量のお荷物まで、ご希望に応じた配送手段をご提案いたします。量が多い場合には、積載可能な車両の手配も承っておりますので、安心してご相談ください。
これまでにも日本国内はもとより、海外への船便による発送対応も実績がございます。大切な形見を安全・確実にお届けできるよう、責任をもって対応いたします。
ご遺品は寺院にて丁寧にご供養いたします
遺品の中には、「思い出の写真」や「故人が生前愛用していた品々」、さらには「かわいがっていたペットのご遺骨」など、簡単には処分できない大切なお品物が含まれていることがあります。
そのようなお品物をそのまま廃棄するのは心苦しく、供養を経て丁重に扱いたいとお考えの方も多くいらっしゃいます。
クリーンサービスでは、遺品やペットのご遺骨を寺院にてご供養した上で適切に処理し、ご希望に応じて供養証明書の発行も承っております。大切な想いに寄り添い、安心してお任せいただける体制を整えております。
遺品整理完了後の室内清掃について
クリーンサービスでは、遺品整理に加えて退去時の清掃(ハウスクリーニング)もセットで対応しており、物件の明け渡しに際してオーナー様や管理会社とのトラブルが発生しにくい点で、多くのお客様から高い評価をいただいております。
ハウスクリーニングの専門知識と技術を活かし、遺品整理に「プラスアルファ」の価値をご提供できるのが、当社の大きな特長です。
備え付けのエアコンは、長年の使用によりフィルターの目詰まりや、ホコリ・カビの付着が発生していることが多く見受けられます。
退去時にオーナー様へお部屋をお引き渡しする際、エアコンの内部洗浄まで完了していることで、オーナー様が別途清掃業者に依頼する手間や費用を軽減することができます。
なお、一般的な遺品整理業者ではエアコン内部洗浄に対応していない場合もありますが、弊社では専門スタッフが対応可能です。また、オーナー様の判断によっては、エアコン清掃費用を清算時に請求されることもありますので、事前に対応しておくことが望ましいと言えます。
クリーンサービスが長年の現場経験を通じて培ってきたのは、単なる作業技術だけではありません。ご依頼者様とオーナー様の双方が、気持ちよく賃貸契約を終えられるような対応の大切さも、現場で学ばせていただきました。
遺族の方とオーナー様の双方にとってメリットのあるサービスを提供することで、トラブルなく遺品整理を進めることが可能となり、
その結果、ご遺族の皆様が故人の仏前に静かに手を合わせ、心を込めて供養の時間を持つことができると考えております。
近年では、半導体不足の影響もあり、エアコンを処分するのではなく、洗浄して次の入居者へ再利用する傾向が高まっています。
ただし、エアコンの内部洗浄はすべての遺品整理業者が対応できるわけではなく、対応可能な業者は限られます。特に、比較的最近取り付けられたエアコンであれば、処分するよりも洗浄によって臭いや汚れを除去し、十分に再使用できる状態に整えることが可能です。
エアコンの内部洗浄は、ご遺族様・オーナー様・次の入居者様のいずれにとってもメリットのある付加サービスとなりつつあります。
特殊な器具を使用し、窓ガラスのクリーニングを行っております。写真左はクリーニング後の様子ですが、一見ガラスが付いていないように見えるほど、透明感のある仕上がりとなっています。もちろん、ガラスはしっかりと取り付けられた状態です。
ヤニ汚れやテープ跡など、ガラス表面の汚れを丁寧に除去し、ガラス本来の透明感を取り戻すため、新品のような美しさに仕上げることが可能です。
「あしたから住める」――このスローガンを目標に、私たちは遺族の方やオーナー様にご負担をおかけすることのないよう、細部まで配慮した仕上げを行っております。これは、弊社ならではの一貫対応型サービスであり、多くのお客様からご満足の声をいただいております。
業界内でも希少な、遺品整理からクリーニング、原状回復までを一括で提供できる体制を整えることで、「依頼して良かった」と感じていただけることに、心より感謝申し上げます。
全体の清掃が完了した後には、床面のクリーニングと最終仕上げとしてのワックスがけを行い、ご依頼者様にお部屋を気持ちよくご返却いたします。
遺品整理のみを行って賃貸物件を返却する場合、室内の清掃状態によっては、オーナー様の印象が大きく変わることがあります。
その点、ハウスクリーニングの専門技術を持つクリーンサービスであれば、清掃面でも安心してお任せいただけるとのお声を多く頂戴しております。一般的な遺品整理業者では対応が難しい清掃の仕上がりにも、高いご評価をいただいております。
遺品整理サービスをご利用いただいた方のお便り
親の遺品整理では、大変お世話になりました。
御社の、故人に対する真摯なお考えやご対応には、遺族として深く心を救われた思いです。
本来であればすぐにお礼を申し上げたかったのですが、このようなご時世ということもあり、ご連絡までに時間を要してしまいましたこと、お許しください。
暑い日が続いておりますが、どうか皆様もお身体にお気をつけてお過ごしください。
陰ながらではありますが、今後のご活躍を心より応援しております。
遺品整理の作業では、大変お世話になりました。
その後も何かとご相談に乗っていただき、言葉では言い尽くせないほど感謝しております。
形見も丁寧に殺菌のうえ、実家までお送りいただき大変助かりました。
お忙しい中、いつまでもその後のご相談に応じていただいており、恐縮しておりますが、今後も引き続きお力添えいただけましたら幸いです。
このたびの遺品整理に際しては、本当にお世話になりました。
御社に間に入っていただけなければ、物件の明け渡しを無事に終えることはできなかったのではないかと思っております。
また、さまざまなご調整でご負担をおかけしてしまい、申し訳なく思っております。
長期間にわたりレコーダーを無償でお貸しいただきましたことも、心より感謝申し上げます。その後、大家様からも特に問題のご連絡はなく、安堵しております。
連日、厳しい暑さが続いておりますので、皆様どうかお身体にご自愛くださいませ。
ご依頼者様からいただくお便りは、私たちにとってかけがえのない宝物です。
これまでに多くのお手紙を頂戴しており、その一通一通を大切に保管し、時折読み返しては、スタッフ一同の励みとなっております。
ご紹介しきれないほどの温かいお言葉を頂戴しておりますが、今回はその中から一部をご紹介させていただきます。
なお、弊社ではご感想を強くお願いしたり、作為的に作成した「お客様の声」を掲載したりすることは一切ございません。掲載しているのは、すべて実際にご依頼いただいた方からの直筆のお便りです。
ホームページに掲載している画像やご感想が“本物”であることが、初めてご相談される方にとっても安心につながるものと考えております。
自宅死の清掃に関するご依頼やご相談はこちらからお問い合わせください。
現地の状況や依頼者様の立ち会えるスケジュール、お打合せの時間などをお聞きいたします。
\年中無休 AM8:30~20:00受付/
ご家族で対応される遺品整理について
遺品整理をする目的
遺品整理には、単なる物の片付けや処分を超えた、深い意味や感情が込められています。ここでは、主な目的をいくつかご紹介いたします。
1. 故人との思い出を整理する
遺品整理は、故人との思い出を振り返る時間でもあります。一つひとつの品物に込められたエピソードや想いを思い出すことで、心の整理にもつながります。「この服、よく着ていたな」「この手紙は大切にしていたな」といった記憶がよみがえり、自然と涙があふれることもあるでしょう。
2. 新たな一歩を踏み出す準備
遺品を整理することは、悲しみを乗り越え、前を向くための大切な過程です。故人を忘れるのではなく、大切な品々に向き合うことで、心に一区切りをつけることができます。「これからも見守ってくれている」と感じながら、少しずつ前に進む助けとなるでしょう。
3. 空間の整理と新たな活用
遺品整理によって空間が整うことで、部屋や家の新たな活用方法を見つけることができます。たとえば、空いた部屋を子ども部屋にしたり、趣味のスペースとして活用したりと、生活の再スタートにつながるケースも多くあります。
4. 家族や親しい人との絆を深める
多くの場合、遺品整理は家族や親しい方と一緒に行われます。その過程で、故人との思い出を語り合いながら、自然と絆が深まっていきます。「こんなこともあったね」と笑顔がこぼれる瞬間は、心の支えとなり、大切な時間になるでしょう。
5. 物の再利用やリサイクル
故人の遺品の中には、まだ使える品物も多くあります。それらをリサイクルや寄付として活用することで、次の誰かの役に立てるという意味を持ちます。「これを誰かが使ってくれるなら、きっと故人も喜んでくれる」と、前向きな気持ちにつながることもあります。
このように、遺品整理は「片付け」だけでなく、「心の整理」や「新たな生活への準備」という意味も含んでいます。大切な作業だからこそ、焦らず、無理をせず、自分たちのペースで進めていくことが大切です。
仕分け作業の進め方
遺品整理の仕分け作業は、感情的な負担が大きい反面、事前に計画を立てて進めることでスムーズに行うことができます。以下に、仕分け作業を効率よく進めるための具体的なステップとポイントをご紹介いたします。
1. 準備を整える
感情的な負担を軽減し、作業を効率よく進めるために、事前準備はとても重要です。
- 必要な道具を用意する
ダンボール、ゴミ袋、マーカー、ラベル、手袋などをあらかじめ準備しておくと、仕分けがスムーズに進みます。 - 作業期限を設定する
「〇日までに終わらせる」といった目標を立てることで、集中して取り組みやすくなります。
2. 仕分けの基準を決める
感情に流されて判断が難しくなることも多いため、あらかじめ基準を決めておくと迷わず進められます。
- 残すもの(保管):形見として残したいもの、思い出や価値のある品
- 譲るもの(寄付・贈与):まだ使用でき、誰かの役に立つと感じるもの
- 処分するもの:壊れているもの、使い道のないもの
- 迷うもの(保留):すぐに判断がつかないものは、一時的に保留箱に分けて後で再確認
3. 部屋ごと・エリアごとに進める
一度にすべてを整理しようとすると混乱しやすいため、小さな単位で取り組むことが効果的です。
- 一部屋ずつ整理する:たとえば、リビング→寝室→キッチンのように順序を決めて取り掛かります。
- 小さなエリア単位で進める:引き出しひとつ、棚の一段など、細かく区切って進めることで達成感も得られます。
4. 思い出に浸る時間も大切に
遺品整理では、懐かしい品に触れる機会も多く、感情が込み上げることも自然なことです。
- 品物を手に取り、故人を偲ぶ時間を設ける
思い出の詰まった品には、静かに向き合う時間をつくりましょう。 - 時間を決めて切り替える
感情に浸る時間が長くなりすぎないよう、「15分だけ」と決めておくと作業とのバランスが取れます。
5. 家族や専門家に協力を求める
ひとりで抱え込まず、信頼できる人に頼ることも大切です。
- 家族や友人に手伝ってもらう
一緒に作業することで故人の思い出を共有し、精神的な支えにもなります。 - 専門業者に依頼する
体力的・時間的に難しい場合は、遺品整理の専門業者に相談するのも有効な方法です。
6. 休憩を忘れずに
遺品整理は、心身ともに負担のかかる作業です。無理をせず、こまめに休憩を取りながら進めることが大切です。
ポイント
- 無理に急がない
焦って進めると、後悔や見落としが生まれやすくなります。 - 完璧を求めすぎない
多少の迷いがあっても、「必要な物だけを残す」という基本を守れば大丈夫です。
急いで遺品整理をすると親族間で異議が生じることも
遺品整理における「異議」とは、家族や関係者の間で意見の食い違いやトラブルが発生する状況を指します。
遺品には感情的、あるいは金銭的な価値が伴うため、整理の過程で意見が対立することは珍しくありません。
ここでは、異議が生じやすい場面とその対応策についてご紹介いたします。
1. 異議が生じやすい主な場面
(1)形見分けに関する意見の違い
例:
「この品物を自分が持ちたい」と複数の人が希望し、分配をめぐって対立するケース。
原因:
感情的な価値や金銭的な価値に対する見方の違い。
(2)整理のタイミングや方法の食い違い
例:
「すぐに整理したい」という意見と、「時間をかけてゆっくり整理したい」という意見の衝突。
原因:
心理的な準備の差や、悲しみを乗り越える時間の違い。
(3)高価な遺品の扱い
例:
貴金属や骨董品、不動産などをどう扱うかをめぐってトラブルが発生。
原因:
財産としての価値が不明確であることや、権利の認識の違い。
(4)遺言書・法的相続の不一致
例:
遺言書の内容に納得できない家族がいる場合や、相続人間での理解不足。
原因:
遺言書の解釈や相続内容に対する不満・不信感。
2. 異議を解消するための対応策
(1)事前の話し合いをしっかり行う
- 全員が集まれる場を設ける
関係者全員が集まり、それぞれの意見や希望を共有することが重要です。 - 感情を伝える
「これが大切だった理由」など、背景にある感情を丁寧に説明することで理解を得やすくなります。
(2)第三者のサポートを活用する
- 遺品整理の専門業者に依頼する
中立的な立場での進行により、感情的な衝突を回避しやすくなります。 - 弁護士や司法書士への相談
相続や遺言に関する異議がある場合は、専門家のアドバイスを受けることで法的に適切な対応が可能です。
(3)感情的な対立を和らげる工夫
- 一時保留ルールを設ける
意見が割れる品物は、冷却期間を設けて後日再検討することで落ち着いて判断できます。 - 中立的な立場を意識する
誰かの意見に偏らず、全員が納得できる妥協点を探る姿勢が大切です。
3. 避けるべき行動
- 独断で整理や処分を進めない
関係者の合意がないまま進行すると、大きなトラブルの原因になります。 - 感情的な言動を控える
冷静さを欠く対応は、さらに対立を深めてしまうことがあります。
4. 異議が解消できない場合の対応策
- 家庭裁判所への調停申し立て
相続内容に合意が得られない場合、家庭裁判所での調停という手段があります。 - 遺言執行者の判断に従う
故人が遺言執行者を指定していた場合は、その判断に従うことでトラブル回避につながることもあります。
5. 異議を未然に防ぐためにできること
家族間のコミュニケーションを大切にする
日頃から円滑な関係を築いておくことで、万が一の際も冷静に話し合える環境が整います。
故人の意思を生前に確認しておく
遺言書や財産の希望を事前に共有しておくことで、後の混乱を避けられます。
この記事を書いた人
遺品整理人。遺品整理・特殊清掃専門家 増田 祐次
遺品整理・特殊清掃の専門家として25年間業務に従事(遺品整理人®︎ 商標登録:第5967866号)
2000年に遺品整理・孤独死の特殊清掃専門の遺品整理クリーンサービスを創業、2010年に株式会社ToDo-Company として法人化し専門チームの孤独死清掃本部を設立、遺品整理人を育成している。
受賞歴:銀賞 2018 NEW YORK FESTIVAL LONELY DEATHS (孤独な死)
ザ・ノンフィクション「孤独死の向こう側 ~27歳の遺品整理人~」視聴率歴代7位